最近読んだ本-050312
「伝統食の復権」とありますが、著者の主張は単なる懐古趣味でも、清貧主義でもありません。日本人にとって本当に必要な食生活とは何かを、愛情と科学的見地に基づいて解説したのが本書です。
日本人を始めとするアジア人の本来の食性はデンプンを中心とした植食性であり、ドイツからもたらされた栄養学はドイツ人のためのもので、遺伝的にも差異がある日本人に適切なものではない。明治以来から続くドイツ栄養学に基づいた栄養改善運動の結果、日本人の食生活は本来のヒトの機能を損なうまでに崩壊しており、疾病構造の変化ももたらしているとあります。
また、ヒトとしての機能を取り戻し、健康で生きるためには、ご飯と味噌汁をメインとして、野菜中心の食生活を心がけること、よく噛むこと、適切な飲料習慣を取り入れることが肝要とされます。
その上でたまにはアンバランスな外食も楽しめばいいと結んでいます。つまり、日常食とご馳走を区別するということです。
私の職業上で考えても、このような「食事」の問題は顎の発達、噛み合わせの成長という子供の成長発育の問題、また生活習慣病である歯周病、また、身体の生理機能の低下が大きな要因となる口臭、いずれにもあてはまるものです。
「栄養素信仰」や「一品万能主義」の呪縛から逃れ、健康のためには何を食べるのがよいかがよく分かる一冊です




